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窯業系サイディングに必須のシーリング(コーキング)補修工事


現在のお住まいの主流となっているのが窯業系のサイディングです。この外壁は幅500mm、長さ3000mm程度の大きさ(製品によって変わります)のボードを組み合わせて造られたもので、必ず繋ぎ目部分(目地)が存在します。ALCパネルの外壁も同じです。
これらの繋ぎ目部分に充填されているのがシーリング材(コーキング材)です。ゴムのような物質で、寒暖によるサイディングやパネルの伸縮と地震時の揺れを吸収する緩衝材の役割を担っています。

また、繋ぎ目の隙間を防ぐことによって、外壁の内側に雨水などが浸入することも防止しています。
外壁、いやお住まいの中でも最も重要な部分の一つなのです。
ALC(autoclaved lightweight aerated concrete)とは
オートクレーブ処理で作られた軽量気泡コンクリートのこと。不燃材で内部に気泡を含むため、通常のコンクリートよりも軽く、外壁材などに使用される。
オートクレーブ処理とは高圧力をかけて行われる処理のこと。圧力鍋による調理と同じように高温にできることから、化学反応などを加速させることができる。
シーリングは重要な部分だけど、最も傷みやすいという不都合な現実
最も重要な部分の一つであれば、それなりに耐久性があって然るべきなのですが、そうはいかないのも現実です。最も重要な部分なのに最も傷みやすいという不都合だらけの箇所なのです(15年超の耐用年数を誇る製品もあります)。

建物の立地や環境にもよりますが、短いときには新築から3年前後で、長持ちしたとしても7年位で傷みだし、劣化していきます。
場合によっては外壁塗装よりも先に寿命が来てしまい、打ち替えが必要となることもあります。
シーリングの補修工事自体は外壁塗装よりも大分お安いのですが、足場の仮設が必要となるため、結構な額になることがほとんどです。
余分な足場の費用をかけないためにも、できるだけ外壁塗装と同時に工事なさることをお勧めします。

シーリング材も紫外線、雨、温度差によって劣化していきます
外壁や屋根と同じようにシーリング材も紫外線、雨、温度差によって劣化していきます。劣化を防ぐ成分が含まれていないわけではありませんが、こちらも紫外線、雨、寒暖にさらされているうちにどんどん消費されていきます。

輪ゴムの劣化を見たことがあるでしょうか。まず表面に可塑剤が染み出してきて、ベタベタしてきます。こうなるとお部屋の埃が付きやすくなり、かなり汚くなります。
染み出した可塑剤が乾燥してしまうと、今度は弾力性がなくなっており、引っ張ると伸びずに簡単に千切れてしまいます。
シーリング材も全く同じです。表面に可塑剤が染み出してきて、ベタベタするようになると汚れが付着し、その後は弾性がなくなり、痩せてひびや亀裂が入り、裂けて剥落していくのです。

シーリング材やゴム製品などを柔らかくするために添加される薬剤。紫外線、雨、温度変化、経年など様々な要因で添加された製品から分離していく。
この分離現象を「ブリード」と言い、汚れやすくなるだけでなく、痩せて硬化が進むのでひびや亀裂、割れ、裂けが発生する。



現在のサイディングやALCよりも大きな面積の製品を作ることは技術的に難しいことではありません。ただ、大きくなればなるほど運搬しにくくなりますし、寒暖による伸縮があった場合、そのひずみも大きくなり、クラック(ひびや亀裂)が発生しやすくなります。
現場への運搬の問題、現場での運搬と施工性の問題、温度変化による伸縮を考えると自然と大きさは制限されてくるのです。
適度な大きさにし、その繋ぎ目に隙間を設けることによって伸縮を制限させない方がサイディングもALCも長持ちするのです。
目地や繋ぎ目がない仕上げの外壁としてモルタル壁が知られていますが、こちらはクラック(ひびや亀裂)が入りやすいというデメリットがあり、工程数が多く、高価なことから現在では新築での施工が減っています。

シーリング補修工事の種類と施工の仕方
シーリング補修工事には2つの種類があります

打ち替え
これまでのシーリング材を取り除き、新たにシーリング材を充填する

増し打ち
これまでのシーリング材の上にシーリング材を重ねて充填する
理想は打ち替えですが、部位によっては増し打ちの方が適切なこともあります。例えば窓枠やサッシ周りは形状によってはこれまでのシーリングを撤去できないこともありますし、無理に撤去しようとすると窓枠やサッシを傷つけてしまう可能性もあります。
窓枠やサッシを傷つけてしまうと、雨漏りする可能性も出てきます。街の外壁塗装やさんではサイディングとサイディングの繋ぎ目の部分については必ず打ち替えを行いますが、窓枠やサッシでは増し打ちを推奨しています。
外壁塗装と同時に行う場合、工程が前後することがあります


先打ちにも、後打ちにも、メリットとデメリットがあるのでどちらが良いとは一概に言えません。
一番良いのはオートンイクシードなど長寿命のシーリング材を使うことでしょう。
サイディングの繋ぎ目は動くことを前提に作られています
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
前述のようにサイディングやALCの繋ぎ目は寒暖による伸縮、揺れなどによる破壊を防止するために設けられています。この動くことを前提に作られている繋ぎ目をワーキングジョイントと呼びます。
これに対し、動きが少ない部分に設けられる繋ぎ目をノンワーキングジョイントと呼びます。
窓枠やサッシ周り、コンクリートの継ぎ目地やひび割れ誘発目地(ひび割れの発生する可能性が建材の場合、ひび割れを集中させることを目的に設けられた目地)は動きが少ないのでノンワーキングジョイントとなることがほとんどです。

ワーキングジョイントは2面接着 ノンワーキングジョイントは3面接着
動くことを前提に設けられているワーキングジョイントのシーリング材はサイディングボードやALCの側面部分だけに接着させ、シーリング材の背面(底面)には接着させないのが基本です。
背面(底面)には接着させないようにバックアップ材やボンドブレーカーを挿入します。背面(底面)も接着されてしまうと、その分だけ伸縮が制限されてしまうので、伸び代も少なくなります。

その結果、高性能なシーリング材であっても、剥がれて隙間ができてしまうということも起こりえます。
動かないことを前提に設けられたノンワーキングジョイントは防水性能から考えて3面全部にしっかりと接着される3面接着が基本です。
シーリング材の充填一つにしても、こういった知識を持っており、しっかりと施工してくれる業者を選ぶことが重要です。
塗装・サイディング張り替え・防水のことならなんでもお任せ下さい!




お家の外廻りで最も傷みやすいのがシーリングです。モルタル外壁や金属サイディング外壁のお家ではあまり目立たないのですが、サッシ周りなどに充填されています。
窯業系サイディング外壁ではサイディングボードとサイディングボードの継ぎ目に充填されており、目視で点検することが可能です。古くなってくると裂けたり、ひびが入ったりします。

こちらのシーリング材では可塑剤が流出してしまい、痩せて表面が黒ずんでいます。可塑剤はベタベタしているので、染み出てくるとそこに埃が付着し、汚れてしまうのです。
また、こまかなひびも入っています。この程度の傷み具合で打ち替えるのお勧めです。


傷んでしまったシーリング材を撤去していきます。カッターで切り込みを入れ、手で引っ張り出します。
傷みが軽度のうちはこれでほぼほぼ取り除けるのですが、あまりにも劣化しているとボロボロと崩れてしまい、手で引っ張り出すことは不可能になります。

目地の側面に残ってしまったシーリング材はカッターで削り、除去します。そのままにしておくと、新しく充填したシーリング材の接着力が落ちてしまうからです。
お住まいが広いと一日に何回もカッターの刃を新しいものに取り替える必要も出てきます。


シーリング材とサイディングの側面の接着力を高めるため、プライマーを塗布します。このページ内でも触れていますが、窯業系サイディングの継ぎ目はワーキングジョイントです。
ある程度、動くことを前提に作られているので側面同士の二面接着になります。底面(画像の刷毛の先のグレーの部分)には接着させないことが理想です。

シーリング材を充填していきます。側面同士の二面接着といっても、底面にシーリング材を触れさせないように充填するなんて器用な真似はできません。
なので、シーリングが充填されても底面に接着しないようにバックアップ材などを入れてから充填します。シート状のものを入れて、そこに接着させることにより、底面との接着を防ぐのです。

専用のヘラで押し込んでいきます。中に空気を入れず、側面への密着度を上げるためです。
よく「均す」という表記を見ますが、それは微妙に違っています。押し込みながら、均していくというのが正確なのではないでしょうか。

ヘラの持ち方を変えて違う方向から、押し込みながら、均していきます。これで、ある程度固まったら、養生テープを剥がします。
完全に固まってしまうと、シーリング材に養生テープが固着してしまい、きれいに剥がせなくなります。半乾き程度で剥がすのが理想なのです。


シーリング工事が完了しました。シーリングの打ち替えには外壁塗装前に行う「先打ち」と外壁塗装後に行う「後打ち」があります。
今回の場合、これから外壁塗装を行うので、先打ちです。シーリングも塗膜で覆われるため、後打ちよりも長持ちします。外壁塗装とシーリングの打ち替えを別々に行うと、それぞれ足場代がかかって高額になってしまうので、まとめて行うことをお勧めします。
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