屋根は常に雨風や紫外線にさらされているため、劣化しやすい場所になります。しかし、点検を行うにしても屋根の上の場合は梯子をかけるか、足場を組んで目視するといった危険で手間のかかる点検方法しかございませんでした。

そこで、そういった手間が一切かからないドローンを使った点検方法が普及するようになっていったのです。

ドローンによる点検のメリット

ドローンを使った点検の最大のメリットはやはり作業員の安全を確保できるという点です。慣れている人であっても、やはり足場や梯子を使う高所作業はリスクはあります。劣化が進んでいると踏んだ部分の瓦がずれて落ちることもありますし、藻によって足を滑らせることもあります。落下すると大けがを負う可能性がありますので、こうした人身事故のリスクがないドローン撮影は安全にできるメリットの大きな方法と言えます。

また、リアルタイムで撮影を見れる点も大きいです。タブレットを使って施主の方と一緒に今現在の建物の様子を確認することが出来るので、修理をしようと決意するきっかけにもなります。

それ以外にも動画や写真にデータとして保存できるので気になる箇所を後で確認できるので、見落としを防ぐことが出来ます。

ドローンによる点検のデメリット

様々なメリットがあるドローンによる点検ですが、デメリットもありますのでいくつかご紹介いたします。
まず一つ目ですが、ドローンを飛ばすことによって特有の騒音が発生し、住宅街で飛ばすという事もあり近隣の住民と騒音やプライバシーの問題でトラブルになる恐れがあります。なのでこういったことがないようにドローンによる点検を行う際は事前に近隣の方へ説明をしてからチェックを始めるべきです。

次に二つ目ですが他にも雨天や風が強い時は使えないといった問題があります。最近では防水加工されたドローンも存在はしますが、一般的に屋根点検で使用されるドローンは汎用の空撮ドローンであるケースが多いです。そのため防水加工されていないドローンが多く、天候によっては予定していた日に点検できない可能性があります。 その場合は現場で待機したり、再度日程調整を行う必要があります。

最後に三つ目ですが、やはり実際に触って確認していないこともあり目視ほど正確には分かりません。そのため問題個所にどの程度問題あるのか確認できない場合があるので注意が必要です。

パミール屋根について

今回点検を行った屋根についてですが、この屋根はパミール屋根といいます。
このパミール屋根は普通のスレート屋根とは異なり、社会問題にもなった屋根材です。

この屋根はスレート（化粧スレート・カラーベスト・コロニアル）と呼ばれる屋根材の一種としてニチハ株式会社により1996 ～ 2008 年まで販売されていた屋根材です。しかし、劣化が早く剥離のひどさが全国的に社会問題となっています。表面の剥がれは築7 年程度で起こり、築10年も過ぎると表面がかなりボロボロに崩れてしまい現在では製造が中止になっています。

屋根がひどくボロボロになれば、おのずと雨水の浸透は下部分へと拡がります。染み込んだ状態を放置すれば、いずれ雨漏りが起こるでしょう。

パミール屋根のメンテナンス方法

一般的なスレート屋根なら、メンテナンス方法は屋根塗装が一般的です。適切なタイミングでの塗装が、屋根材の寿命を延ばすことに繋がります。しかし、パミール屋根はそうはいきません。
なぜならパミール屋根には塗装はできないからです。

まずパミール屋根は、上でもお話ししましたが、10年前後で表面が剥がれてきてしまいます。職人が屋根上を少し歩いただけで、屋根材がどんどん割れてしまい、高圧洗浄を行うとさらに割れてしまうといった、もはや塗装工事を行える状態ではありません。
この症状が出てしまうと屋根の葺き替えをするか、カバー工法をするかしか方法がなくなってしまうのです。

屋根塗装は「塗膜を作り屋根材を保護する」メンテナンスですから、屋根材自体が剥離するパミールには意味がないのです。

おわりに

今回はドローンによる点検についてとパミール屋根についてご紹介させていただきました。

最後に屋根についてですが、図面などをご覧いただいても「見ただけでは何の屋根材か分からない」という場合もあるかと思います。そんなときは、私たちの無料点検をご利用ください。点検にてパミールか、違うものなのかを正確にご報告いたします。